遺体管理学

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関係法令と解釈








                                   民法第653条


第653条(委任の終了事由)
  委任は、次に掲げる事由によって終了する。
  1.委任者又は受任者の死亡
  2.委任者又は受任者が破産手続開始の決定を受けたこと
  3.受任者が後見開始の審判を受けたこと

民法第653条によれば、生前(死亡前)に委任した事項は、委任者の死亡により効力を失効(終了)するとされています。
葬儀に関する法令が存在する海外では、生前契約や生前委託に関しても施行令等で明記されており、
生前に交わした契約や信託は「法令的に有効」とされています。
国内の民法第635条だけを見ると、「生前に交わした契約(信託)は死亡確認をもって無効」とも解釈が出来ます。
葬儀に限らず、国内での委任業務は民法第643条により明記されています。
第643条(委任)
  委任は、当事者の一方が法律行為をすることを相手側方に委託し、相手方がこれを承認することによって、その効力を生ずる

受任者(依頼者)が死亡して、死後の処理(事務手続きや金銭等の支払い、管理)を委託者が行う場合は第653条により
死亡時点で「委任の終了」となると、これら「死後の処理業務」が行えないこととなります。
しかし、最高裁判例(最判平4.9.22 最高裁第3小法廷)では、これらの事項に対して下記の判断を示しています。

最判平4.9.22
  「自己の死後の事務を含めた法律行為等の委任契約が○○と△△との間に成立した原審との認定は、当然委任者○○の死亡に
  よっても右契約を終了させない旨の合意を包含する趣旨のものというべき、民法第653条の法意がかかる合意の効力を否定する
  ものではないことは疑いを容れない」

関連研究資料   「任意後見人の職務の明確性について」 立命館大学 法学専攻  福間 由香
             「委任者死亡後の委任契約の効力」    高崎経済大学  谷口 聡

そのために、生前に交わした委任契約であっても「死後も有効等の特約事項」を付加していれば、最高裁判例により効を発します。
死後に残された家族(遺族)の無意味なトラブルを避けるためには、「特約事項の確認」が重要です。




                             刑法第188条


礼拝所不敬及び説教等妨害
第188条 神祠、仏殿、墓所その他の礼拝所に対し、公然と不敬な行為をした者は、六月以下の懲役若しくは禁錮又は十万円以下の
      罰金に処する。
  2   説教、礼拝又は葬式を妨害した者は、一年以下の懲役若しくは禁錮又は十万円以下の罰金に処する。

宗教施設や墓所・霊園、または斎場等の施設に対する行為は1項、法事や葬儀等の行為に対してはは2項が適応。
「葬儀妨害」では、2002年2月に香川県警が葬儀中に酔客が僧侶に対して「真面目にやれ」と大声を出して逮捕。(第2項適応)
2009年1月に警視庁が知人の母の葬儀で、大声を出しながら棺を台から落として男を逮捕。(知人と男にはトラブルあり、第2項適応)
近年の「葬式妨害」(第188条第2項)の適応による逮捕は、上記の2例程度。
「礼拝所不敬」は斎場にも適応できると考えられ、斎場完成後に葬儀場(斎場)として稼働している施設に対して、過度の反対運動は
「礼拝所不敬」(第188条第1項)の適応も可能であり、業者側としても法的手段の検討は行える。
ただし、遺体保管所やエンバーミング施設(斎場内設置や、宗教・葬儀行為を行える施設を除く)に対しては、東京都23区内の各条例で
考慮すると「一時保管所」との分類であり、「礼拝所不敬罪」の主張は困難と考えられる。

刑法第188条